色は匂へど散りぬるを
~花を見て木を見ず~
咲く花に季節の移ろいを覚え、散る花に風の流れを感じる。桜はそんな日本人の感性を千年以上も前から育んできた。遙か平安の昔から花といえば桜、桜といえば花見、これだけ人と共に生きてきたのに花が散った後のサクラの木を知る人は意外と少ない。
いうまでもなくサクラは樹木であり、その生命活動の源は花ではなく葉っぱである。葉っぱが光合成で蓄えたエネルギーで花が咲く。なのにやがて葉っぱだけになると向こう一年見向きもされない悲しい定め、色は匂へど散りぬるを… 華やかさの裏側にある無常観こそ桜の本質なのかもしれない。サクラは人間と出会って本当に幸せだったんだろうか?

kanazawa 21C.Museum 2025/04/10
木を見て森を見ず その5
~ 区分認定という茶番 ~
「木を見て森を見ず」も「花を見て木を見ず」と同じで上辺だけに目が向き本質に辿り着けないこと。
福祉業界では、そんなことが日常茶飯事である。
今回は、障害支援区分認定について考えてみたい。
障害支援区分は、高齢者でいう要介護区分に相当するもので、区分1~区分6へと重度が増していくランク付けだ。この区分認定がないと福祉サービスは始まらない(就労支援を除く)。認定を受けるには、以下5W1Hの手順を踏む必要があるが…。
▼旧態依然の手続き主義
例えばデイサービス(施設通所)に行きたい!
① どこに行けばいい? → 地域の福祉課
初めての時は区分認定が必要です。
② 誰と話せばいい? → 相談支援員
担当が不在ですので後日電話します。
③ 何をすればいい? → 認定調査
簡単な質問に答えていただきます。
④ いつ結果が分かる? → 1~2か月
今月の審査会が終わってますので…。
⑤ 次どうすればいい? → 支給決定
受給者証が届くまでお待ちください。
⑥ なぜこんなに待った? → 規則なので
すいません、皆さん順番でしたから…。
とまあ、すべてが役所都合のたらい回しにあう。
「さて、○○さんはデイサービス希望でしたね。」
「ええ加減にせい、もうええわ!」と、結構笑える茶番コントなのである。でも笑ってる場合じゃない。
▼ AIロボットなら2か月が2日になる
行政は一刻も早くAIロボットに任せた方が節税になる、いや地域福祉自体を民間主導にすればもっと節税できる。福祉課廃止、遅きに失したか?
▼ 落とし穴ありブラックボックスあり
認定調査の質問紙にはライアーチェック機能がない。調査員が熟練の心理士でもない限り、嘘と本当の判別がついていないのである。思わぬ落とし穴。
さらに認定審査会は、利用者の顔も知らぬ人たちの密会だ。決定理由の公表もないブラックボックス。
ハマってしまえば、落とし穴もブラックボックスも似たようなものだが、厳密に言うと前者は国の問題、後者は地方の問題と言える。どっちの問題にせよ、区分認定が福祉サービスのスタート地点であることに変わりはない。区分の数字が1変わるだけでゴールできないことだってありうるのだ。その初っ端から茶番をやっているじゃすまされない問題なのである。あゝ無情…我が世誰ぞ常ならむ。
(2025.4.10 Sakai)